女性が起業して長く続けられるようにアドバイスをするなら

これで成功しよう、とは考えていなかった

こんにちは、Yumikoです。

2021年を目前に控えた12月。振り返ると独立してからもうすぐ5年が経つんだなと感慨深くなりました。

何の気負いもなく、仕事というよりは趣味の延長のようなイメージで、ただ服作りが好きだからという理由で始めたハンドメイドの世界。

いつの間にか縫製を手伝ってくれるメンバーも増え、事務管理や発送、時には経営戦略を一緒に考えてくれたりもします。

気が付くと縫製工場にもお願いするようになり、アトリエも構え、いつの間にかハンドメイドというよりもアパレルの世界へと足を踏み入れるようになりました。

そうするうちに少しずつ、「なぜ5年も続けられているのですか?」という相談を寄せられることも増えました。

今日はいつか会社を辞めて独立をしたいと考えるハンドメイド作家さんのために、改めてそのコツをお伝えしたいと思います。

試してみる、軽くテストしてみる

私は30代で離婚をしたので、ずっと子育てをしながら資格取得や手に職を付けるための努力を色々としてきました。

「これから大変だ、生活費をどう稼いでいこう…?」

そんな私がハンドメイドの作品を売り始めたのは、決して「独立するぞー!」と意気込んだわけでもなく、どちらかといえば「ちょっとやってみよう」の気持ちでした。

なのでこれから服作りを中心としたハンドメイドで成功したいと考えている人がいたら、まずは小さく始めてみることをお勧めします。

いきなり店舗を構えるのではなく、知り合いのショップの一部を間借りしてスタートしてもいいかもしれません。

作品や商品を作るにしても、ハンドメイドであれば自宅の一室から始められます。まずは失敗しても痛くないことからトライしてみることが大事だと思います。

地道にコツコツ、の意味

昔は株式会社を始めるにしても、資本金が1,000万円ないと始められない時代でした。

その名残りもあってか、起業や独立と考えると、一国一城の主になるような気持ちで大きく踏み出す人も多いような気がしています。最近だとスタートアップの人たちがそうかもしれません。

資金調達をして、キャッシュが尽きる前に成功する…みたいな。

でも私がこれまでやってきたことはスモールビジネスで、ちょっとずつ信用や信頼を積み上げながら、右肩上がりに徐々に成長させる方法です。

そのときに、コツがあります。

私はいま専用のアトリエを借りていますが、それは売上が伸びるにつれて自宅の一室での作業が手狭になったからです。

資材もそうですし、発送する商品の量も増えれば部屋を圧迫します。スタッフの方に手伝ってもらうにしてもスペースが欲しいところ。

こんな風に、必要に応じて増やしていくイメージです。工場に縫製をお願いするようになったのも、人の手だけで縫うには注文の量があまりに多くなりすぎてしまったからです。

そんな風にして、いつの間にか5年が経っていました。

とはいえもちろん、世の中の動きに合わせて変えなければいけないこともたくさんありました。

Creema(クリーマ)やminne(ミンネ)も以前はハンドメイド作家のための牧歌的な空間でしたが、いまではショップそのものです。業者さんも入り乱れるなかで生き残る方法を色々考えたりも当然しました。

続けるなかで必要だと感じるものは増やし、反対に削ることで利益が増えることだってあります。

こうすれば成功する、という法則もない中で、ムリなく小さくコツコツと続けることは、変化の波にも対応しやすいのかなと感じています。

ところで、最近の取り組み

地道にコツコツ、と言っても具体的にどういうこと? って思いますよね。そこで少しだけ最近の私がやっている「コツコツ」をお伝えします。

この頃は「手書きのDM」を作っています。

50通ぐらいでしょうか。商品レビューに対してお答えする形で書いています。すると本当に地道ですが、ほんのちょっとずつリピーターさんが増えていきます。

PCで文章を書いて、プリンターで印刷してしまえば効率はいいですが、私は手書きのものを作っています。

なぜなら、そのほうが喜んでもらえそうだから、楽しんでもらえそうだから。

特別なことはなく、そっちよりもこっちのほうが良さそうと感じることをただ選択して、届ける。これだけ。

もちろんその時に、こっちのほうがお客さんには喜ばれそうだけど、自分でやるのは苦手、ということもあります。

そういう時はすぐに人の手を借ります。そうやって今の規模ぐらいにまで一緒に働くメンバーも増えてきました。

自分が好きななら自分でやる、苦手だけど得意な人がいれば任せる。とってもシンプルですよね。

冷静さと、ていねいさと

この記事の冒頭に「気負いすぎない」ことがポイントだとお伝えしました。

これはあくまで私個人の感想ですが、年齢や社会経験によって「気負い」はなくなっていくように感じます。人間的に苦労を重ねてきている人のほうが落ち着いているというか、そういう感覚です。

やる気は大切、だけど冷静さも大事。

私も性格として傾向がないわけではないですが、頑張って成功した人の物語を本やテレビでみて、「よし、自分もこれでいこう!」って突っ走りたくなってしまうことってあると思います。

でもそれって、その瞬間だけの盛り上がり。いったん落ち着かないと、自分を見失ってしまいます。するとどうなるか?

これも傾向として私が感じていることですが「儲けよう…。おカネ、おカネ……」ってなってしまう気がします(笑)。

服作りで考えれば、生地の質を下げ、新作をめちゃくちゃたくさん作って、ブログやSNSを頑張りすぎちゃう…みたいなイメージです。

でも地道にコツコツを大切にするのであれば、生地の質はむしろ上げ、お客様とのコミュニケーションの量を増やしていって、ブログやSNS投稿の数ではなく、むしろ写真の技術を高めるために勉強し、コーディネート例を増やしていく。

そっちほうが、リピーターさんもついて、長く愛されるような気がしませんか?

これって人間関係にも反映される気がしています。

「短期で手っ取り早く」という思考でいると、お客さんだけでなく自分やスタッフに向けても人間関係を大切にできず、新しい人は来るけどすぐに離れていってしまう…みたいなことになってしまいがちです。


もし、私が5年間このお仕事を続けてくれた理由をあげるのであれば、そういった「地道にコツコツ」のおかげかなと思います。

色々なやり方はあると思うので、あくまでひとつの参考程度に、あなたに合った方法でハンドメイドやアパレルの世界を楽しんでみてくださいね。

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yumiko

2016年から『手作りのリネン服shop』を運営しています。 自分だけの小さなブランドを作る方法も発信中。