小さなアパレルブランドの数字経営とデータ分析のコツ

ハンドメイドであれ、アパレルブランドであれ、ある程度の売上が立つようになってくると、数字で管理・分析をすることが求められるようになります。

最初はシンプルに売上をみて、だんだんと原価がどれぐらいかかるのかを考えるようになり、やがて “自分” という人件費を考えた上で、利益がどの程度出るのかを計算するようになる。

少しずつ数字管理の基礎がステップアップしていって、この規模が多くなってくると、いわゆるMD(マーチャンダイザー)や生産管理という話になるのかもしれません。

でも今日は、もうちょっと親しみのあるハンドメイドや小さなアパレルブランドの、数字管理による良い影響についてお伝えします。

元リクルートのメンバーと出会い

改めまして、Mauve pink メディア広報室です。

私たちはこれまで代表の由美子のほか、日々の縫製を手伝ってくれているメンバーを含めた合計3人で毎週ミーティングを開いていました。

しかし、2020年の4月頃から月に1回、4人で会議をするようになりました。Mauve pink の売上が伸びた時期と重なります。

私たちのようなECサイトを中心に服の販売を展開するブランドは、比較的共通して忙しかったと思います。コロナ禍でオンラインショッピングの需要が高まった時期だからです。

しかし、急激に世の中が変わったため、その変化に対応できなかったブランドもあると思います。需要に対して供給が追いつかないという状況です。

実際にMauve pink も倍以上の供給力が求められ、どれだけ縫っても縫っても間に合わず、これまで計画を予定していた工場生産のプランを前倒ししなければならないほどでした。

その頃、私たちはもう一人のメンバーを迎えます。
元リクルートの友人です。

最近独立したもののまだ時間的に余裕があり、会社を離れて仕事をするために必要な経営面の勉強をするためMauve pink のお仕事を少し手伝ってくれるとのことでした。

初めは注文メールへの返信などをお願いしていましたが、数字管理が前職の関係で強かったこともあり、売上を中心としたデータ分析をお願いすることになります。

売上の数字分析で得られたこと

月に1回、その友人がデータ資料を持ってきてくれるようになりました。

月締めをした翌月、最初の火曜日にいつもの3人に加えた4人のメンバーで数字で売上などを客観的に分析していきます。

これまでそういった分析や振り返りをしてこなかったわけではないのですが、それらはすべて代表由美子の頭の中で行われていました。

どのカテゴリ(ワンピースやスカート)がどれだけ売れて、もっとも売れ筋のものはどれで、期待よりも売れていないものはどれか。それらをすべてデータを元にスタッフ一同で振り返りをします。

難しい用語や計算式を出すならば、きっとこういうことになります。

・売上:ショップの売上
・販売客数:商品を購入されたお客様の数
・販売点数:販売した商品の数
・SET率:購入された商品の平均の点数
・客単価:お客様1人が1回で支払う購入金額
・商品単価:購入された商品の平均の金額

でも大切なことは、それらの数字の背景を知ることです。

スタッフ全員でディスカッションをしながら、何が売れていて何が売れないのかを話し合う。若い人たちに人気のあるものはminneだと売れているね、じゃあ具体的にどこを強化していこうか、という感じです。

そこで得られたことは想像以上に多く、結果、必要としてくれるお客様にスムーズに商品を伝えられるような導線が作れました。売上としても昨年の2倍以上になりました。

何が良かったかといえば、まずは優先順位をつけられるようになったこと。急に忙しくなったときに「あれやった?これやってない!」みたいなバタバタ感がなくなりました。

また、さすがに元リクルートの頭の回転速度、そして営業マインドです。たっぷりと刺激を受けて、さらにビジネス的な考え方を深めることができました。

これまでは「ただ服を作って売るだけのECブランド」だったわけですが、もっとその価値を磨き、多面的に捉え、広くさまざまな面に伝えていく仕込みなどもスタートしました。

このあたりはまだ準備中なので、解禁する際にはこちらのサイトでも発表させていただきますね♪

可視化がスタッフに与えたもの

これまで代表の頭の中にしかなかった数字分析。

それをデータ資料として見える化し、スタッフ全員で共有できたことは、売上意外の面でも大きなメリットがありました。

具体的にはブランドを数字面で把握することで、代表からの指示がなくても主体的に、自由に動くことができるという効果がありました。

在庫管理をする上でこういう数字をエクセルで管理すると良さそうだな、という具合に、オペレーション周りのことを進んでできるようになりました。

もちろんスタッフの基本的なお仕事は、服を縫うことです。

それでも私たちはMauve pink ブランドの一員として、ここに居場所を感じています。

ただお金を稼ぐ場所ではなく、もちろん趣味の場所でもありません。自分のやりがいを得て、社会に貢献できているという実感を持てる居場所なんです。

最近では、代表のクロスフィット仲間だという23歳の若い男の子が工場までできあがった商品を取りに行ってくれたりしています。

無給…というか、本当にボランティアとして手伝ってくれているんです。

Mauve pink には、ただ服を作るだけではない、周囲のみんなを巻き込んでいくような不思議な力があります。

そのポジティブなエネルギーが、きっと服作りにも役立っているんじゃないかなと感じることもあります。

代表、由美子からのメッセージ

今年、2020年は大変なことがたくさんありました。

何よりも4月~秋口まで注文ラッシュが止まらず、これまでの売上予測をはるかに超える忙しさがありました。

一見すると嬉しい悲鳴のように聞こえるかもしれませんが、その需要に応えるのかどうか、その見極めは簡単ではありませんでした。

縫製スタッフの数をそのままに、注文だけを受ければ生産体制が崩壊しますし、かといって人件費を増やした後にこの突発的な需要が止まれば固定費だけが残る形になります。

結果として工場への依頼を増やしながら、自分たちのブランドサイトを立ち上げ、そちらのアクセス流入数を増やすなどの別の仕事が増えたり、とにかくバタバタと毎日が過ぎていきました。

需要に応えず、できる範囲でまとめることもできましたが、未来がまったく予測できないコロナ禍という状況のなかで、それをそのまま見過ごすことも良策とも思えませんでした。

ずいぶんと経営的な話が続きましたが、私たちが大切にしていることは、必要な人に、クオリティの高いお洋服を届けること。

その原点を忘れるわけにはいきません。

気づけばスタッフのみんなも率先して、お願いしている仕事以上の働きをしてくれるようになり、そんなに頑張らなくていいよと声をかけたくなりながら、だけど「ありがとう」の気持ちでいっぱいでした。

今までは月初の火曜日であってもただスタッフが資材を取りにくるだけの一日でしたが、やがて発送作業を手伝ってくれるようになり、ミーティングの回数が増えるようになり、少しずつ仲間も増えて、気づけば一丸となって経営会議をするようにもなりました。

冬を迎え、これから春まで私たちは次の新商品づくりに取り組みます。

これまでは夏の疲れから冬はしっかりバケーションしていましたが、今年はもうちょっと気合を入れて、予測や見通しが立てにくい2021年に向けて色々と計画していこうと思います。

頑張ってくれたスタッフとも今度ご飯にも行こうかなと思います。

旅行とかにパーッといきたいところだけど、コロナの状況も状況なので、できる範囲でお礼をしていきたいなと考えています。

定番商品は冬でも引き続き販売していきます。ぜひそちらもご覧になりながら、これから控える春の新作もぜひ楽しみにしていてくださいね。

Mauve pinkを引き続き、よろしくお願いいたします。

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mauve pink メディア編集室です。代表のYumiko と広報PR担当による共同執筆記事の場合に表示しています。

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