正しいリネン生地の洗い方、アイロン掛けからシワ対策まで
今日は気になる「リネンのお手入れ方法」について紹介します。
Mauve pink ではリネン服を中心にハンドメイドで作っているのですが、必ずお客さまから質問されるのがお手入れ方法です。
「洗濯機で大丈夫ですか、それとも手洗いですか?」
「アイロンをかけてもいいのでしょうか?」
上記のようなよくある質問について、まとめてみました。
リネン服の洗い方、干し方
リネン素材の服は、人によっては一度洗うともう着れなくなってしまうのではと認識している方も多い印象があります。
しかし実はリネンは基本的には強い生地で、水にぬれるとさらに強度が増すという特徴もあるため、洗濯機で洗ってしまって大丈夫です。
気を付ける点としては、たたんでネットに入れて、中性洗剤を使うこと。水かぬるま湯でOK! そうすることで素材へのダメージも少なく、縮みも最小限に抑えることができます。

むしろ大切なのは「脱水」の方法です。
シワの原因になりやすいため、脱水の時間を短くし、干すときに軽く叩いてあげる程度で大丈夫です。濡れたままピンと伸ばして干すだけでも大丈夫なぐらいです。
天然素材のものは多少縮んでしまうことがひとつのデメリットで、丈が120cm程度のスカードであれば、最初の1~2回は洗濯で1cm程度縮んでしまいます。
一般的なリネンであれば5~10%は縮むと言われています。
また、日焼けを防ぐためには日陰で干すことを心掛けましょう。乾燥機にはかけないようにしてください。
どうしても汗染みなどが目立つ場合のみ、酸素系の漂白剤を使って洗濯すると良いですが、生地を傷めないためにもできるだけ使わないほうが良いでしょう。
こうしてまとめみてみると、リネン素材はクリーニングに出す必要もなく洗濯も手軽なお手入れのしやすい生地と考えることができます。
リネンのアイロン掛けについて

私自身の好みとしては、リネンにはアイロンをかけず、そのままのリネンならではの風合いを楽しむことをおすすめしています。
しかしどうしてもシワが気になる場合には、生地が乾ききらない状態か、もしくは霧吹きをかけて高温で軽く押さえるぐらいにとどめると良いと思います。スチームアイロンを使うのも手です。
あまりアイロンを掛けすぎてピンと張った生地にしてしまうとリネンの味がなくなってしまいますし、テカリも出てしまうので注意が必要です。
私が使っているのはこのアイロン。
小さめで握りやすいのがいい。
重さもほどよくかかりやすいです。
アイロン台はこれ1択。
高さ調節も簡単、作業スペースが広いので手放せない。
リネン素材のシワ対策について

個人的にはリネンはシワも含め、素材の風合いを楽しむものという位置づけで考えています。
ですがそれでも、どの程度までシワができるのかを気にされる方というのは、スカートなどで座った際にできてしまうシワが気になったり、フォーマルな場に来ていった場合のことを考えているケースが多いようです。
リネン素材である以上は「シワも含めて個性」になってきますので、あまり気にしすぎないようにすることに尽きると思います。
最近ではリネン(麻)素材のスーツなども売られていますが、そういった場合にも柄の入っている服を選べばシワがあっても目立ちません。
それどころか、シワはある程度伸びているまま、リネンならではのくたくたした感じを残すほうが素材を活かすことができると思います。
「ベランダでハンガーに掛けて霧吹きをかけ、そのまま乾燥させる」というお手入れ方法を日常のなかで試してみてください。
これが私のこれまで経験で言える、もっとも最高のお手入れ方法です。
リネンの透け対策をどうするか?

ほかのリネン素材に関するよくある質問のなかに、「この生地は透けますか?」というものがあります。
これについてはリネンかどうかではなく、その生地が薄いか厚いかの話になってくるので、リネンだからどうこうと考えなくてよいと思います。
もし夏場にリネン服を1枚で着たい場合には、
- 裏地付きか透けない厚い生地のものを選ぶ
- フレア、ギャザー、タッグがあるものを選ぶ
- ペチコートやアンダードレスで対策する
などの工夫をすることで透け対策ができます。
Mauve pink のリネン服の特徴

リネン素材には色々な特徴があります。
特に夏場の活躍する生地という印象を多くの方が持たれている背景には、表面がさらっとしていながら吸水性がよく、速乾性があるのが大きいと思います。
また以外と知られていないのが、保湿性があり、冬場はコートのなかに1枚着ておくと身体を温めてくれる機能もあり、起毛させたリネン服などもあります。化学繊維と異なり、静電気が起きにくいのも冬の季節に重宝する理由です。
それでありながら、リネン(麻)のブラウスであれば洗濯して30分も干せば乾いてしまうようなお手入れのしやすさが選ばれる人気でしょう。
ネップや織りのゆがみ、織りキズなども「味」として楽しんでいる方が多いのがリネンの特徴です。シワもまた、ナチュラルさを演出します。
そんなリネン素材ですが、Mauve pink ではあえて「スタイリッシュ」な服に仕上げており、通勤にも着ていける服をコンセプトに作成しています。

最近ではユニクロさんや無印良品さんでもリネン(麻)素材の服が売られていますが、そういったなかでもMauve pink ブランドをあえて選んでくださっている方々は、スタイリッシュなリネン服という側面ともうひとつ、ハンドメイドであることも重要なポイントとして見てくれているようです。
ここまでお伝えしたように、リネンは生地の個性が際立つ素材です。だからこそ、その個体差に魅力を感じ、大量生産ではないハンドメイドで、しかも個性的なリネン服という掛け合わせでオリジナルの魅力を感じてくださっているようです。
生地の個体差×手作りならではの個体差の組み合わせです。
科学繊維よるアレルギー反応も起こさず肌にやさしい。毛玉や静電気などの不快な体験をすることもないため、私自身はすっかりポリエステルやアクリル素材の服は買わなくなりました。
こういった素材へのこだわりなどは、もしかするとささいなことに映るかもしれません。ですが、こういった細部へのこだわりが「素敵な女性」を目指す上ではとても大切になると私は考えています。
他人からは見えない部分にも、素材のこだわりを入れていく。そういった生活のなかで充実感を覚えられるのもまた、リネンの魅力だと思っています。

