Creema の広告運用「作品プロモーション」を使ってみた結果と感想
Creema には、2018年9月から開始された「作品プロモーション」と呼ばれる手軽な広告運用機能が実装されています。
企業でマーケティングなどを担当しているような方であれば別ですが、多くのハンドメイド作家さんは「広告運用」というものにあまり馴染みがないのではないでしょうか。
そうなると気になるのが「広告を出して、実際に効果があるの?」という点です。
今回の記事では、実際にCreema の「作品プロモーション」を使っている私自身の体験などをベースに、その効果性についてお伝えしていこうと思います。
作品プロモーションとは?
Creemaの中であなたの作品に興味がありそうな購入意欲の高いお客様に向けて、あなたの作品をより多く表示し、作品の販売促進やショップの認知拡大など、出品者様のマーケティング活動のサポートを目的とした、クリック課金型のクリエイター向け広告機能です。
https://www.creema.jp/news/439/detail
こちらの「作品プロモーション」ですが、一言で説明するのであれば、クリック課金型の広告機能です。
…と言っても普段聞きなれない表現ですと、一体何のことかわかりませんよね。。

もう少しカンタンに説明すると、
お金を使って広告を出すことで、あなたの作品がCreema のサイトの上部に優先的に表示される機能のことを指します。
表示された作品(広告)がクリックされる度に費用が発生し、平均すると1クリックあたり10~60円の単価になるようです。これを「クリック単価」と言います。
このクリック単価は出品している商品のカテゴリごとに変わってくるそうです。
具体的にどんな効果が期待できる?

Creema の公式サイトによると、上記画像に示したような3つの効果が期待できるとあります。
- 売上の増加
- フォロワー数の増加
- お気に入り数の増加
私も実際にこちらの「作品プロモーション」を日々活用しているのですが、経験則から次のように考えています。それは…

「作品プロモーション」で広告を出しても、それがすぐに売上につながるというのは期待しない方が良さそうよ。
ということです。
1,000円の広告費を使って、それがすぐに1,000円以上の利益に直結する…というような状況は実際に使っている中で、相当難しく感じています。

ということは、やるだけ意味がないってことですか?
と思う方もいらっしゃる方もしれませんが、必ずしもそういうわけではありません。
「作品プロモーション」は、間接的に売上に貢献する可能性は十分にあると考えています。その理由をこれからお話していこうと思います。
「作品プロモーション」を使ってみた結果

Creema で初めて運用する方向けの推奨設定として、1日の予算は1,000円以上に設定すると効果を実感しやすい、とあります。
そこで実際に出品中の作品に対して「作品プロモーション」を使ってみた結果、次のようなデータが得られました。
- 1日の予算は1,000円で運用
- ある日の表示回数が852回
- その日のクリック数が25回
- クリック単価は40円
- 0時にスタートし、朝の6時で使い切った

朝の6時には予算の1,000円を使い切っていますね…
1,000円を広告費として使い、実際に商品をクリックされた回数が「25回」。これをどう見るかです。
少なくとも、この広告を出したことによって直接買ってもらえた…という回数が限りなくゼロだった、というのが実際の私のデータです。
つまり、むやみに「作品プロモーション」へ広告費としてお金を使うのではなく、もうちょっと工夫を加える必要がありそうです。
運用方法を見直すポイントはどこか?
Creema が公式に出している動画をみると、具体的にどういったところに注意をして運用することが大切かが説明されています。
また、初回設定におすすめの作品というのも公式サイトに掲載されていましたので、下記に引用しておきたいと思います。
■初回設定におすすめの作品
①注文回数が多い作品、売上が高い作品
②PV数やお気に入り数が多い作品
③流行のアイテムや季節的に人気が高まるトレンド作品
④お得なキャンペーンが実施できる作品(ポイントキャンペーンや送料無料、早割、SALEなど)
⑤クリーマにピックアップされた作品(特集やメルマガに掲載された作品)
⑥注目を集めたい新作
https://help.creema.jp/archives/help/3917
まずは季節を考慮することは絶対に考えたいところです。
特に私の場合は、春~夏にかけて売れやすい服を扱っているので、2月ぐらいから広告の運用を開始するようにしています。
「ポイント5倍デー」などのキャンペーンに合わせて広告費を多めに使うのも良いと思います。そして、注文が殺到して、生産が追いつかなくなったらそこで一旦ストップです。
下記の画像は、公式の説明動画で紹介されているのですが、正しく計算をすることによって最適な作品数などを算出することもできます。

その後、継続して「作品プロモーション」を使ってみたのですが、こちらの広告経由で売れたものは3万円の広告費に対して、3枚の作品でした。
Creema から「作品プロモーション」を経由して売れたものは連絡が来る仕組みになっているためわかりやすくなっています。

扱う作品の1点あたりの平均単価が1万円前後だと、売上としてはほぼトントン。でも、制作コストの部分まで考えると赤字ですね…
というように、この段階ではまだまだ広告運用に関して改善の余地があるのですが、私はこのような「費用対効果から売上を伸ばすこと」を考えるよりも、もう一方の活用の方に効果を実感しています。
「作品プロモーション」を有効に使う方法

こちらも公式の解説動画に掲載されている情報からの引用ですが、「売上」のほかに、「フォロワー数」の増加や「お気に入り数」の増加に重要なポイントがあると考えています。
つまり、認知を広げるための広告運用です。
広告で売らない。広告で売れる状態を作る

正直なところ、扱っている作品の単価が数百円~数千円では、よほど大量に売れない限り赤字になるのは必至です。
多少単価の高い作品を扱っていたとしても、生地代や人件費コストなども考えた上で、トータルで利益が出るような計算にならない限りは安易に「広告プロモーション」を使うのも悩みどころです。
ですが多くの人の目に触れて、さらに「お気に入り」を押してもらうことで中長期で期待できる効果もあるのではと考えています。

つまり、どういうことでしょうか??
これはひとつの推測なのですが、まず確実に実感している「売れている商品は上位に来る」ということです。
そしておそらくですが、「お気に入り」にたくさん入っている作品も上位に表示されやすくなるのでは感じることが多々あるのです。

mauve.pink を知っていただき「お気に入り」に入れてもらうことで、ほかの作品も合わせて見てもらえる可能性も高まるんじゃないかしら?
つまり、「作品プロモーション」を使って実際に売上を伸ばすというより、どちらかというとPRの視点で認知を広げ、広告を外したあとも自然に上位表示され続ける状態を作るところにポイントがあるのでは、ということです。
そういった意味で考えると、
「新作のプロモーションに一点集中で広告費を使う戦略」はかなりお勧めです。
ただし注意点もあります。
そちらも踏まえて最後のまとめに入りたいと思います。
「作品プロモーション」活用法まとめ

どういう人にとって「作品プロモーション」は効果的か? についてですが、
- 広告費を十分に捻出する余裕のある作家さん
- 扱っている作品の単価が高く、広告によって利益が見込める方
- 新作を「作品プロモーション」で上位に表示させ、多くの「お気に入り」を獲得させることで広告の終了後も自然上位表示を狙うための戦略として使う
ということになってくるのではと思います。
つまり、ほとんどのハンドメイド作家さんにとっては、よっぽとでない限りは使う必要性はなく、それ以上にもっとやるべきことがあるのでそちらに力を入れるのが得策、という結論です。
そしてもし「作品プロモーション」を使うのであれば、

そもそも、作品の質が高くお客様に求められていること!

掲載写真の質が高く、価値が伝わりやすいものであること!
というのが大前提です。
ぜひ、参考にしてみてくださいね!

