職人から経営者の意識へと変わった私の原体験ストーリー
以前インタビュー形式で、私が会社員の頃から起業を志すまでのストーリーを記事としてお届けしたことがあります。
参照:地方暮らしでも成功!ハンドメイド在宅起業のストーリーを公開します
今回はその続き、ハンドメイドで起業をしてからアパレルブランドとして事業を経営していこうと考えるまでに至ったストーリーをお伝えしたいと思います。
副業でリネンの洋服を作って販売し、もし売れたらいいなという感覚で始めた今のお仕事。そして、人を雇うような働き方はしないと決めていた私が現在は3名のパートナーたちと一緒にお仕事をするようになった背景。
その過程で私は、自分自身のミッションやWHY(使命)を感じるようになりました。
起業後のそういった心の変化を伝えることで、自分が本気で打ち込めるものを見つけるまでのヒントになればと考えています。
- 副業感覚、売れればOK!
- 人を雇うような働き方はしない
そう決めていた心が、なぜその真逆にあるような「経営」の世界に目覚めていったのか。お伝えしていきます。
副業スタートから、なぜ経営に目覚めたのか?

私はもともと、ハンドメイドの服作りをすることが好きで始めたというわけではありませんでした。
もちろん服を作ること自体は好きなことではありましたが、毎日毎日ひたすら服を作り続けることが好きだったのかというと、そうではありませんでした。
「服を作るのは好きだけど、毎日作るのは違うと思った」
なので動機としても「作ってみて売れたらいいな」という副業感覚でこのお仕事をスタートしています。服作りの “職人” を目指していたわけではなかったのです。
そういったこともあり、ていねいに縫製することに力を入れていたわけではなく、できあがりが可愛い服を作っていました。
「作ること自体が好きなのではなく、服が好きだった」
- おしゃれな服を着るのが好きなのか?
- 服をデザインすることが好きなのか?
- 服で自己表現することが好きなのか?
- 服を販売することが好きなのか?
- 服を作ることが好きなのか?
一見すると「服が好き」の一言で済むもののように感じますが、実際にはいろいろな見方をすることができます。
そういった中で、少しずつ自分だけが服を作る環境から、服作りは人に任せて作ってもらえるような仕組みを整えることを意識し始めました。
そこからやがて、一緒に服を作ってくれてる外注パートナーの方に「気持ちよく作ってもらえるか」を考えるようになったのです。
これが個人事業主としてハンドメイド起業をスタートさせた私が「経営」を意識し始めたキッカケでした。
自分でひたすら注文の入った服を作り続けるよりは、生地の手配や売上計画、利益計画を考える方が好きだとある日、気づいたんです。
経営者としての自分を動機付けるもの

服を作ることよりも、売上を作ることが好きだったのか?
もしそう問われたとしたら、確かに「YES.」という部分もあると思っています。頑張って事業を成功させて、自分の稼ぎを増やしていきたいという欲がなかったのかというとウソではありません。
しかしある時を境に、お金を得るという喜びではなく、お金を払いながらも得られる喜びがあるということを知りました。
それが「感謝」です。
最初は服の注文が増えるにつれて、その量がどれだけ多くても応えられる体制にしていきたいと思い、外注の方に縫製をお願いするようになりました。
ちゃんと数を作れるブランド「mauve.pink」でありたいと思ったのです。
初めは、服を代わりに作ってもらい対価としてお給料をお渡しするというだけの関係だったのが、関係性が深まるにつれて変化が起きました。
元々お願いをしていた「縫製」のお仕事だけでなく、スタッフのメンバーが自主的に、縫うこと以外のほかのことをやってくれるようになったのです。
事務仕事を率先してくれたり、新しい縫製の技術を自分で学びながら方法をシェアしてくれたりと、一生懸命に「応援」してくれるようになりました。
その時に思ったんです。
一生懸命に「応援」してくれているスタッフのために、「きちんと組織化をしよう!」と。
会社員時代にはわからなかった「お金を払っていても感謝する」という感覚は、事業主として仕事をするようになってから身に付いたことでした。
WHY(ミッション)を自然に見つけるために

会社員時代は「感謝」という感覚をあまり持てていなかったと、いま振り返るとそう思うのです。
当時は、上司もお客さんもイヤでした。
いつも理不尽なことばかり。自分には甘いけど人には文句を言う、クレームのお客さんは言いたいことばかり言って、という具合に。感謝の気持ちはあまりありませんでした。
しかし事業主になってからは、一緒に服作りをしているスタッフメンバーと過ごす時間が増えました。その結果として「賃金を払い続ける」という責任が生まれました。
- 「自分ひとりじゃないから頑張ろうと思える」
- 「かかわる人が増えるにつれて、その応援に応えたいという自然な想いも増す」
だからこそ、応援してくれているスタッフメンバーのためも、事業をより強固に確立したいと思うようになりました。
縫製というのは、作る数が多くなるにつれて体力を使うお仕事です。年齢によっては身体の負担になることも考えられます。
しかし事業がちゃんと回るようになれば、縫製だけでなく事務などほかの仕事も年齢に合わせてお願いできるようになります。
応援してくれる人たちを雇い続けるために、増やし続けるために、私が経営者としてできることをどんどんやっていきたい。
そんな風に考えるようになったのです。
これは言い換えてみると、感謝から生まれたWHY(ミッション)だったと自分自身で思うところがあります。
元々は個人で、ひとりでやっていくハンドメイドビジネスから、人に感謝されて、感謝で応えるうちに、もっとこの仕事を大きくしたい、続けていきたいという気持ちへと変化していきました。単純に、人にお願いしたい、効率化したい、からではなかった…!
「感謝」があるから必然的にWHYが生まれる。
もちろん事業を大きくしていくためには、結果的にコストはより大きくなりますし、より多く稼げる仕組みも必要です。
目下、私の課題としては、さらに売っていく力が、これまで以上に必要になってくると感じています。
私は今の仕事を始めた当初は、
- 副業感覚、売れればOK!
- 人を雇うような働き方はしない
という考えでした。
しかし、感謝して、感謝され、感謝で応えるという自然なサイクルが自然とまわり始めたとき、私の考えは変わりました。
今日は「自分が本気で打ち込めるものに出会う」というテーマで私の経験からお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。
最初は小さく始めたものでも、そこから生まれる循環から、ミッションや使命、WHYと呼ばれる「本気で打ち込めるもの」が見つかる。
そういったヒントになれば幸いです。

yumiko
